コラム “なぜあの子は成績が上がったの?”
塾長のコラムです。日ごろの指導の中で気づいたことを文章にしてみました。

2011年

アバンティ通信2011年12月号〜時間の使い方〜
 成績がとてもよかったB君は、非常に時間を大切にしていました。彼は塾には遅刻をしない、授業が終わったらすぐに帰宅する生徒でした。遅刻をしないというのは当たり前の話ですが、彼は毎回時間的余裕をもって塾に到着し誰に言われることもなくさっと勉強の用意をし、勉強を始めました。また彼は、授業が終わった後も教室に残って友達と息抜きすることもなく、さっと帰宅していました。ある日彼に遅刻をしないことについてほめると、「遅れる時は、勉強をしたくない時かな〜。」という返事が返ってきました。実際、彼は一度も遅刻をしたことがないのですが、時間に遅れると、授業時間も少なくなる上に、慌しい中勉強を始めなければならないのが嫌だったようです。また授業が終わったらだらだら残らず、すぐに帰ることは彼にとって当たり前のことでした。そして彼は限られた時間をやはり家の中でも大切にしていたようです。勉強は何時から何時まで、楽しみのテレビやゲームは勉強が終わってから決めた時間だけやり、そのあとはお風呂に入って決めた時間には寝るという生活だったそうです。彼の頭の中には、常に何を優先的にしなければならないかがあり、やる時はやり休む時は休み、だらだらした時間を作らないメリハリのある毎日を過ごしていたようです。常に今何をしなければいけないかがわかっていたからこそ、限られた時間を大切に考え、それが行動に出ていたのだと思います。結果、第一志望に合格、その後趣味に勉強にそして友達と楽しく学生生活を過ごし、今では立派な社会人として活躍しています。塾長斉藤稔


アバンティ通信2011年11月号〜とりあえず言われた通りにやってみよう〜
 成績が良い生徒に共通することは「勉強の仕方が上手」ということです。決して「頭の良さ」ではありません。塾ではいろいろとその成績を上げるための秘訣=勉強の仕方=を生徒には教えるのですが、なかなか聞く耳を持ってくれない生徒がいます。例えば、塾に来て教えてくれる先生が目の前にいるのに、黙々と漢字の書き取りをやっている生徒がいたりします。そういう生徒には「正しい勉強の仕方(=例えば自分ひとりでできることはなるべく家でやろう!)」を指導します。その場では納得はするようですが、しかし、それでも、今やらなければならない勉強を、正しいやり方ですることができない生徒をよく見かけます。押し付けるようなことはしませんが、残念なのは「勉強はこうこうした方がいいよ」といろいろと提案しているにもかかわらず、素直にそれを実行してみる姿勢が感じられない場合があることです。もちろん誰かに有効だったやり方が他の人すべてに当てはまるわけではありませんが、「言われたことをとりあえず受け入れてやってみる」、この柔軟な姿勢を持つことが成績を上げるための第一歩だと思いますがいかがでしょうか。その証拠に受験が目前に迫る中学三年生になると「聞く耳を持つ」ようになり正しい勉強の仕方を身についてくる生徒が多いように感じます。もっと早くから聞く耳を持ってくれていたら・・・と思うこともありますが、結果成績が上がっているので良しとしましょう。 塾長 斉藤稔


アバンティ通信2011年10月号〜正しい姿勢で勉強しよう〜
 最近生徒を指導していて、よく気づくことの一つが、「勉強をしている時の、生徒の姿勢の悪さ。」です。姿勢が良くなればすぐに成績が上がる・・・というわけではありませんが、総じて成績の良い子ほど、勉強する時の姿勢や身のこなしが良い子が多い傾向があるようです。特に目立つのが、「机に向かってまっすぐ座っていない」、「鉛筆を持つ手だけで紙を押さえ、もう片方の手で紙をきちんと押さえない」、「鉛筆の持ち方が悪い」・・・などです。姿勢が正しい=成績向上に直結ではありませんが、姿勢が悪いと早く疲れるなどで、おそらく勉強の効率が悪いのだと思います。とにかく姿勢が悪いということは周りで見ている人にもあまり良い印象を与えません。直せるのならなるべく早いうちに直しておきたいものです。ご家庭でもチェックをしてみてください。塾長 斉藤稔


アバンティ通信2011年9月号〜やる気がなくても勉強する〜
 テレビのコマーシャルでよく見かける某塾のコマーシャル。「キミのやる気スイッチどこにある?」「やる気スイッチを見つけて、スイッチオンします!」・・・。こんな簡単にやる気スイッチが見つかって、やる気が起こりすぐに成績が上がればいいのになぁ、と思っている生徒も多いはずです。しかし世の中そんなに甘くない。パチッと押せるような「やる気スイッチ」というものは、人によっては存在しないか、またはあったとしても実際にはなかなか見つからないかのどちらかと私は思います。ではやる気のない時、勉強をどうするか…? 成績の上がる子の特徴の一つは、「やる気のない時も勉強する」ことです。やる気が出るのを待ってから勉強したのでは、いつまでたっても勉強は始まらないし成績は上がりません。成績が上がる生徒は「やる気がない時でも勉強をし始める」のです。プロ野球のイチロー選手も「一年中を通してモチベーションが高い時(=やる気のある時)ばかりではない」と言っていました。一流選手でもやる気のない時はあるが、しかしその時でもしっかり練習をして結果をだす、それゆえ、一流選手なのです。受験生にも同じことが言えるのではないでしょうか。「やる気がないから勉強できない。だから勉強しない。」ではなく、「やる気がなくても勉強する。」そのうちにやる気が出てきて、その地道な努力が成績向上につながるのではないかと思います。 塾長 斉藤稔


アバンティ通信2011年8月号〜毎日少しでも復習をしよう〜
 「復習をしなさい。勉強したら復習をすると成績が上がるよ」なんていうことをよく耳にします。「わかっているよ。復習すればいいんでしょ」という生徒の声も聞こえてきそうですが、ではいったいどれくらいの生徒が復習を実際にしているのでしょうか?復習はその日あるいは前の日に習ったことをおさらいする誰にでもできる手軽な勉強方法です。人はすぐ覚えたことを忘れる生き物、記憶を保持するには覚えたことを忘れないうちに繰り返し勉強をするのがいいそうです。それならば復習は最適な学習方法。やっていない生徒さんは毎日5分でもその日に勉強してことを復習しましょう! 塾長 斉藤稔


アバンティ通信2011年7月号〜やらなければならないことを順番付けてやる〜
 大人・子供を問わず毎日いろいろとやらなければならないことがあります。成長するにつれて、「すぐにやらなければならないこと」、「今すぐにはやらなくてもいいこと」の順番付け(プライオリティ付け)がしっかりできるようになるのですが、小・中学生ぐらいですとそれがまだ出来ない子がたくさんいます。P君はよく宿題を忘れる生徒でした。「時間がなかった。」がいつもお決まりの理由です。でも塾に来てからやらせると、ものの5分で片付けてしまします。「ほら5分もかからないでしょ」と私。これは物事の優先順位づけがまだきちんとできない生徒との典型的な会話です。P君には「何を先にしなければならないか。」これを常に考えるようアドバイスしました。「今何を優先してやらなければならないか。」これを常に念頭に置いたP君の成績はみるみるうちに上がってきました。 塾長 斉藤稔