コラム “なぜあの子は成績が上がったの?”
塾長のコラムです。日ごろの指導の中で気づいたことを文章にしてみました。

2012年

アバンティ通信2012年12月号〜学習習慣を作る習慣を身につけよう〜
 受験の季節が近づいてきました。受験が目の前に迫っている中3生や小6生はさすがにこの時期になれば目の色を変え自主的に勉強に取り組んでいることと思います。でも受験がまだ一年も二年も先の生徒にとっては勉強をするにもやる気が起こらないという人はまだまだ多いと思います。そういう生徒に実行してもらいたいのが「学習習慣をつける習慣を身につける」ということです。多くの人は「数学を勉強しよう」とか「本を何ページ読もう」とか「英単語をいくつ覚えよう」という目標をつくります。でもそれではどうしても「勉強はいやだな」という思いが先にたち、いつまでたっても勉強が始まらないという悪循環に陥りがちになります。そこで発想を変えて、10分でも15分でもいいから自分で決めた時間だけまずは机に向かう習慣を身につけるというところから始めてみるのです。考えてみればどんなに勉強のできる人でもよっぽどの強い意志がない限り最初から1時間も、2時間も勉強をするのは大変です。マラソン選手でも最初から42キロを走れたわけではなく、1キロ、2キロのゆっくりジョギングから少しずつ距離を伸ばして行き、最後にやっとあの長い距離を走れるようになるのです。かの有名なイチロー選手もこんな言葉を残しています。『ちいさいことをかさねることが、とんでもないところに行くただひとつの道』、だそうです。何か目標を達成しようと思ったらまず一歩を踏み出してみることです。勉強はいや、といっていつまでも机に向かう習慣を作らなければ、いつまでたっても成績は上がりません。眠い、疲れた、明日やろう…、などいろいろ言い訳はあると思います。でもまずは自分で時間を決めて少なくともその時間は机に向かうという習慣を作るという、「習慣を身につける」ところから始めてみましょう。 塾長 齊藤稔


アバンティ通信2012年11月号〜今、やらなければならないことは?〜
 テストが近くなると「やたらと机の中を整理したくなる」「なぜか本棚の本の背表紙を揃えたくなる」「部屋の中をきれいに掃除したくなる」など、そんなことはいつもなら全くやろうとも思わないことが、テスト前になると無性にしたくなる経験がある人は多いと思います。そしてそのつまらないことを実際に時間をかけてやってしまい、ただでさえ少ないテスト勉強の時間がなくなり失敗した、という経験は誰でもあると思います。おそらくそれは目の前のテスト勉強から少しでも遠ざかりたいという本能で、ある程度は仕方のないことともいえます。しかし当たり前のことですが、テストでよい点数を取るためにはしっかり勉強をしなくてはなりません。それには今、何をしなければならないのかを考え、今しなくてもいいことは後回しにするというけじめ・思い切りが大事です。それではその「何か」を無性にしたくなったらどうするか?私はそのしたいことを紙に書き留めることをお勧めします。やりたいことを箇条書きでいいので、簡単にメモしておくのです。そうやってその場はそのやりたい気分をひとまず抑えます。そしてテストが終わった後、そのやりたかったことを振り返ってみてください。そうすればその「やりたかったこと」が、実はもうあまり「やりたくないこと」(「部屋の電球を代える」とか「テレビのコマーシャルの時には腹筋・背筋をやる」)といったどうでもいいことであるのがわかると思います。今、何を本当にしなければならないのか、常によく考えて勉強に立ち向かう、その姿勢が大切です。塾長 斉藤稔

アバンティ通信2012年10月号〜国語力向上のカギは漢字〜
 高校入試の受験科目数は5科目、中学入試の受験科目数は4科目とかなりの数です。全科目を完全に習得しようとするならばかなりの時間がかかります。その中でもとりわけ力をつけるのに時間がかかるのが国語です。国語の力というのは生まれてから現在までの総合的な言語習慣の積み重ねなので、少しくらいの生半可な勉強では大きく成績が上がるというわけではありません。しかし漢字だけは別です。漢字を読んだり書いたりする力は毎日の努力の積み重ねにより確実にそして大きく向上します。大事なのは毎日の習慣作りです。15分間でもいいので毎日少しずつ勉強することが大切です。学校で使っているドリルでも、漢検のテキストでも構いません。自分の実力にあったテキストを見つけこつこつと学習しましょう。生徒の中には見るだけで漢字を覚えられる人がいるかもしれません。しかし多くの生徒にとってはきちんと手で書いて練習をしたほうが漢字は覚えられるのではないでしょうか。そして学習の効果・効率を高めるためにも、きちんと読み書きができたものと、できなかったものにしっかり分け(チェックなどを入れる)、次の日以降にできなかったものを再度やりなおせる仕組みを作りましょう。漢字は特に先生がいなくても自分一人でできる勉強の一つです。漢字の読み書きができることが国語力、ひいては社会や理科、算数などの他の科目の点数を上げる武器にもなります。毎日15分でいいので毎日漢字を勉強する習慣づけを早めに身につけてください。 塾長 斉藤稔


アバンティ通信2012年9月号〜オリンピックと受験勉強〜
 盛り上がった2012年のロンドンオリンピックも無事、幕を閉じました。今回のオリンピックでは日本選手団は全部で38個のメダルを獲得したそうで、この数は今までのオリンピックの中で最高の数、日本選手団は本当によく頑張ったと思います。特に金メダルを獲得した体操の内村選手の演技や、レスリングで3連覇した吉田選手はすごかったですね。次回のブラジル・リオデジャネイロ・オリンピックでの活躍も大いに期待したいと思います。
 さて、オリンピックでは三位までに入賞したらもらえる金・銀・銅メダルの数が活躍のひとつの目安になりますが、頑張りを認めてもらうのに、誰もが三位までに入賞する必要がないのが受験勉強です。たとえば受験勉強の場合は、自分の目標(=志望校に合格)に到達できればメダルをもらえるのですから、受験であれば誰にでも十分にメダルを獲得するチャンスがあると言えますね。オリンピックには様々な競技がありますが、ポイントは、選手の一人ひとりがそれぞれの競技に沿った練習を十分積んで試合に臨んだということでしょう。例えば、陸上競技一つをとってみても様々なタイプの選手がいます。長距離選手、短距離選手などがそうですが、長距離には長距離の、そして短距離には短距離の練習を十分積み上げて試合に臨んでいます。受験勉強でも同じことが言えそうです。自分の出場する競技(=試験科目)の特性(=傾向)をよく考えしっかりと準備をしてから試合(=試験)に望めば誰にでもメダルをもらえるチャンスがあります。皆さんも自分の性格を考え、限られた時間の中、効率的な受験勉強を考えましょう。多くの皆さんにとってのオリンピック(=受験)の日までまだ日があります。しっかり技を磨いて悔いのない様、その日を迎えてください。応援しています。塾長 斉藤稔


アバンティ通信2012年8月号〜夏休みの時間の使い方〜
 学校が休みの夏休みはまさに自由な時間がたくさんあります。はじめは早めに宿題をかたずけて、あれもこれもやろうと思っていても…、気づいたらもう後夏休みも残り数日…。そんな経験は誰にでもあると思います。どうしたら宿題を早めに終わらせ、夏休みを快適に過ごすことができるでしょうか。
 成績のよかったAさんの夏休み対策は特別なものではありませんでした。それは普段どおりに「いつもと同じ時間に起き、規則正しい生活をすること」でした。Aさんは夏休みの間も夜更かしや、朝寝坊をせず、いつもと同じ時間に起き、朝食を済ませ、学校に行っているはずの時間帯に、夏休みの宿題をすませました。午前中は休憩を挟んでも三時間はたっぷりと宿題をする時間が取れます。そして昼食をとり、午後からは学校のプールに行ったり、軽く昼寝をしたり遊んだり塾に行ったりと自分のしたいことをしてゆったりを一日を過ごしました。そうです。夏休みを過ごす際に、一番大事な点は「生活のリズムを崩さないこと」です。多くに人が夏休みだからといって、夜更かしをしたり、朝もぐずぐず寝坊したりして、結果、十分疲れも取れず体調を悪くしてしまうことが多いようです。特に受験生は、暑い夏休みだからこそ、朝の涼しい、そして頭のフレッシュな午前中に勉強をする習慣を確立し、そして暑い午後は、冷房の聞いた快適な環境の塾で勉強をする生活習慣を身につけ、暑い夏を乗り切ってほしいと思います。塾長 斉藤稔


アバンティ通信2012年7月号〜準備をしよう、「備えよ常に」〜
 私が子供の頃、ボーイスカウトに入っていた時の話です。私が所属していたボーイスカウトでは様々な楽しい活動をしたり、ためになる教えなどを数々学びましたが、今でも役に立っていると思うことの一つは「準備の大切さ」を徹底的に叩き込まれたことです。ボーイスカウトの集会では、毎回「備えよ常に」という標語?を繰り返し唱和したり、必ず歌う連盟歌にも「準備、準備、堅きぞ準備」などという歌詞があり、最初は何だかよくわからないながらも、子供心にも準備は大切なんだなという意識を植え付けられた気がします。実際、キャンプの際に水を十分準備していなかったために大変な目にあったり、持ってきた地図が古くて役立たず迷子になってしまったり、キャンプ用品を事前にチェックしていなかったため足りないものが続出し、ろくに食事を作れなかったり、しっかりテントを張れず眠れなかったりしたことなどがあり、この「準備の大切さ」というのはいやというほど身につきましたが、その後の人生にも大きく役立ちました。考えてみれば、毎日の生活でも、勉強でも、部活でも、試験でも、そして人生の節目節目においてもしっかりとした「準備」は大切だということです。たとえば、試験や部活においてしっかり準備(=勉強や練習)をしていれば満足する結果が出ることが多いですが、しっかりと準備できていない時はあまりよい結果を残すことができないのは明らかです。特に今の教育の仕事についてからは、生徒にも「準備(=試験勉強)の大切さ」を事あるごとに強調しているつもりですが、その思いがきちんと届いているか不安にあることがあります。言うまでもなく定期テストや入試などのテストには周到な準備が必要です。生徒にはこれからも「備えよ常に」というボーイスカウトの標語を教え、後に悔いの残らない結果を残してもらえるよう、さらに準備の重要性を伝えていきたいと思います。塾長 斉藤稔


アバンティ通信2012年6月号〜勉強時間は短くてもよい〜
毎日、毎日学校に行き部活もやり、くたくたに疲れて帰って来て「さて勉強」という気にはなかなかならないものです。しかしやらなくては上がらないのが成績、やはり疲れていても勉強はやるしかありません。そういう人に覚えておいてもらいたのが「勉強時間は短くてもよい」という言葉です。とは言え「勉強時間は短くてもよい」と言うのは「長時間勉強する必要はない」と言う意味では決してありません。「短時間でもしっかり集中して勉強すればかなり効果が上がる」と言うことです。
 あるデータによると人間が本当に集中できる時間は15分だそうです。特に頭をフル回転させなければならない暗記は、一時間も二時間も続けられるものではありません。大事なのは「短時間でもいい、とりあえず始めよう」という気持ちです。テレビやゲームはさっと始められるのに、勉強はそうでもないと思う人は多いでしょう。でも一度始めてしまえば、結局は長持間勉強できてしまった経験も多くの人があると思います。とりあえず始めて、もし飽きてしまったらリフレッシュをしてまた始めればよいのです。そう、勉強は最初から長時間やろうと考えず、短い時間×回数と考えれば大分気持ちは楽になると思います。
 勉強にすぐ飽きてしまう性格だったAさんは、ある日を境に20分間を単位にして試験勉強を続けました。20分ごとに科目をかえて勉強するというのは結構大変そうですが、これが逆にAさんには刺激になって勉強がはかどり成績が大きく伸びたそうです。集中力がついたのがその要因ですが、勉強したくないなと思った時は「とりあえず短時間でもいいや」と考え勉強しはじめるのが大事と言えるでしょう。塾長 斉藤稔


アバンティ通信2012年5月号〜読書をしよう!〜
お子さんはひと月に本を何冊読みますか?調べたところ小学生の一ヶ月平均の読書数は9.9冊、中学生は3.7冊(2011年発表)でした。私の今までの経験上、国語の力と読書の量にはかなり密接な関係があると思います。読書をすることで、知識・理解力・想像力を養うことができるからです。小さい頃からたくさん読書をしている生徒は一般的に読解力にすぐれ様々な知識や語彙力があります。そういう生徒は国語に限らず算数や社会・理科の問題を読み解くスピードや理解力もあり、難しい漢字のある文章や比較的難しい内容の文章も想像力を使い平気で読みこなします。反対に読書をあまりしない生徒、あるいは読書嫌いの生徒は勉強そのものを苦手としていることが多いように思います。
読書を習慣にするのは簡単なことではありませんが、まずは図書館や学校の図書室、本屋に実際足を運び本に慣れることが重要です。そしてジャンルを問わず、例えば、自分の疑問を解決してくれる本など、何でもいいので、とにかく読みたい本を読ませることから始めるのがいいでしょう。最初から面白い本に出会うとは限らないので、これはと思う本があれば我慢して最初の30ページまでを読み面白ければ読み続け、面白くなければそこでやめればよいと聞いたことがあります。ぜひ試してみてください。もっとも本さえ読んでいれば国語の力が「間違いなくつく」というわけではありません。読書好きな子は偏った読み方をする子も多く、また試験の答案や作文などは実際に書いてみないとどうしても力がつかない、ということがあるからです。しかし読書をすることで、知識や想像力のほかにも、他人の意見や人生の経験等も知ることができ、それによって自分の意見や将来も見えてくるということがあるかもしれません。こんな素晴らしい機会を逃す手はありません。大人になれば読書をする時間はさらに少なくなってきます。学生の間にどれだけ読んだかが後のお子さんの将来に大きくかかわってくることもあるでしょう。「読書の春」という言葉はありませんが、ぜひ読書の時間をお子さんに作っていただきたく、また良い本の選択や、読む習慣をつくるためのご協力をお願いいたします。 塾長 斉藤稔


アバンティ通信2012年4月号〜ノートを使ってしっかり勉強しよう!〜
ノートは筆記用具と並んで勉強には欠かせない勉強道具です。にもかかわらずノートがただの計算用紙やメモ紙に成り下がり、ノートを上手に使えない、あるいはノートを使わない、また必要と思わずノートを持ってこない生徒もいます。授業中に私がよく気づくのは、ホワイトボードに書いて講師がいろいろな説明をしているにもかかわらず、その内容を全くノートに写そうとしない生徒がいることです。学校ではどういう風になっているのかわかりませんが、黒板やボードに書いた大事なポイントを自分の手でノートに書き写さないため、後で復習ができないのはもちろん、授業で何をやったのか全く形に残らない場合がよくあります。当塾ではそういった生徒に対しては必ずノートを用意させて、板書をした場合には、当然のことながらその内容をしっかり書き写させて、後でしっかり見直すように生徒に繰り返し指導しています。 受験前の生徒によく言ったのが「まとめノート」を一冊用意すること、です。このまとめノートは(本当は科目ごとにあるほうが望ましいのですがノートを作らない生徒にとってはかえって一冊の方が効果的かもしれません)、その日学校、授業で習ったことを「まとめ」る、いわゆる復習ノートです。このノートのメリットは復習することによる知識の定着はもちろんのこと、後日、特に試験の直前に見直したり、確認する際に抜群の効果を発揮します。何しろそのノートには自分が勉強してきて新たに獲得できた新しい知識が詰め込まれているわけですから、それさえ見れば効率のよい復習が短時間でできるというわけです。実際入試はもとより定期テストでいい点を取る生徒はこのやり方をしていました。ノートは生徒の「頭の中を表す」とはよく言われる説です。後で見て自分のノートになにが書いてあるかわからなくなっている生徒は、まずは自分のノートにしっかり@日付AタイトルB問題の番号などを書く癖をつけ、きれいな見やすいノートを作るところから始めましょう。塾でもそういうノート作りのお手伝いをしていきます。 塾長 斉藤稔


アバンティ通信2012年3月号〜やっているのか、やらされているのかの違い〜
毎年1月、2月になると、高校・中学の受験生は入試に向けてのラストスパート!ということで、勉強に対する気合も十分、集中力もかなり長時間もつようになります。中には今までとは全く見違え、「えーこの子がこんなに勉強するんだ?!」と驚くやら、うれしいやらという生徒もいます。これは明らかに「自分が勉強しなければ」という気持ちになっているからだと言えます。やはり「自分から勉強をやらなければ」、という気持ちになった時が、生徒の成績や実力は大きく伸びる時と言えます。それに対して、自分からはどうしても勉強する気分にならない時、まわり(親や先生)などから「勉強しなさい」などと言われている状態は、「勉強をやらされている」時で、この場合には勉強に対する集中力も気合も入らず、成績も伸びないのが常です。ではどうしたらよいのか?まず生徒自身が「勉強をしなければならない」という状況を作り出すことです。それには@目標を明確にする。(受験校を決定する、数学の通知表の成績を1上げる等)、A目標を達成するために、いつ何をどのくらいやればいいのかを書き出す。(中3の単元は8月までに終わらせるとか、来週までに漢字を何ページまで終わらせる等)、B今勉強することで自分が何を得られるか、やらないとどうなるかをその都度考える、ことです。成績を上げるためには、勉強は「やらされる」のではなく、「自分でやるんだ」という気持ちを持つことが大切です。全ての生徒は試験間際になれば間違いなく自ら勉強しようという気になります。それでもいいのですが、塾長の立場としてはもっと早い段階で、自分で「やらなければ」という思いを生徒には持ってもらえるよう、目標を決めさせるなど考えるヒントを常々与えていきたいと思っていますので、保護者の方もご協力をお願いいたします。 塾長 斉藤稔


アバンティ通信2012年2月号〜ポジティブな言葉で自分を励まそう〜
 受験がいよいよ近づいてきました。この時期になると受験生の目つきもかなりの変化が現れ、勉強に対する姿勢も以前とは比べ物にならないくらいに積極的になってきています。これまではすべてにおいて「無理」、「意味不明」、「全部わからない」などと否定的な言葉が多かった生徒でも、今はもうそんなことは言ってられないとばかりに、一生懸命、前向きに勉強に取り組んでいるようです。否定的な言葉といえば、自分自身に「自分はだめだ」とか「無理だ」とか「全然わからない」と否定的な言葉を出すより、たとえ困難にぶつかっても「自分はできる」、「なんとかなる」、「わかっているところもあるから大丈夫」と肯定的な言葉を出したほうが、成績は上がるという話を聞いたことがあります。受験生、しかも受験が近づくにつれ不安な気持ちが高まるのは仕方のないことです。でもだからといって、「自分はだめだ」と悲観的になるのではなく、「これだけやったのだから大丈夫」と楽天的な気持ちで試験に望むほうが、良い結果につながることが多いといえそうです。もちろん生徒を指導する立場の私たちとしても、「xxさんなら大丈夫」「「一生懸命勉強したんだからきっと合格できる」、英語では「Yes, you can(あなたならできる)」というポジティブ(肯定的)な言葉で生徒を勇気付けるよう、言葉選びには気をつけています。多くの生徒がポジティブな言葉とともに第一志望に合格することを祈っています。 塾長斉藤稔


アバンティ通信2012年1月号〜〜未来の自分を困らせないために〜
 当時中学生のN君は何事にも手抜きをしないまじめな生徒でした。必ず宿題はやってくるし、予習・復習もやるといういわゆる優等生。ある日の何気ない私との会話でした。「N君すごいね。いつも忘れずに宿題をやって」と私がほめると、N君からは「あとで困るのがいやなんだよね。」という返答が帰ってきました。詳しく聞いてみると、N君は何かをする時は常に、未来の自分の姿を念頭におくということでした。たとえば宿題。今宿題をやらないと明日の自分はどうなるか?朝あわててやらなければならないか、忘れたということで先生に怒られるかもしれない。だから「今」頑張らなければいけない。あるいは寝る前にする次の日の準備。今しないとどうなるか。しないと次の日の朝あせってやらなければならないか、忘れ物をしたりして自分が困る。だから「今」の自分が頑張らなければいけない、ということでした。そういう考え方を聞き、私はN君の成績が優秀なのはもっともだと納得したものでした。毎日私たちが行う日常のことも同じで、たとえば手洗い・うがい・歯磨きなども、未来の自分が病気にならないため、つまり「未来の自分を困らせないため」に今の自分ができること、と言えそうです。もちろんテスト前にテスト勉強することも、塾に宿題をやって休まずにくることも、そして部活の練習を一生懸命にすることも、そうです。「未来の自分のために、少しでも今の自分が努力をする。」そういう考えを常に持ち続けることが、人を少しずつ成長させていく原動力になるのではないでしょうか。立派な社会人となった現在のN君は、きっと常に未来の自分を困らせないようにと、昔の彼がいつも頑張っていた積み重ねの姿と言えそうです。塾長 斉藤稔