コラム “なぜあの子は成績が上がったの?”
塾長のコラムです。日ごろの指導の中で気づいたことを文章にしてみました。

2013年

アバンティ通信2013年12月号〜部活で勉強ができない?〜
 小学校の高学年や中学生になると多くの生徒がなんらかの部活動に入ります。スポーツ系の部活であれ文科系の部活であれ、部活に入って一所懸命に頑張ることは、この時期非常に大切なことと思います。だからといって部活一辺倒になり、疲れたことを言い訳にして勉強をおろそかにしてもいい、というわけではありません。部活動に熱心になるあまり成績が急降下ということになってしまっては学生の本分としては本末転倒だからです。長いこと指導していると勉強もスポーツも両方良くできる生徒が存在することに気がつきます。それはおそらくは勉強も部活動もどちらも気合を入れて集中的に取り組み、勉強のやり方や部活動の方法にかなりの工夫を凝らしているからだと思われます。そういう生徒は部活動がいったん停止になる定期テスト前や入試前には持ち前の集中力を発揮し、好成績をとることが少なくありません。逆にそうでない生徒は部活動をしていない分「常に時間に余裕がある」ため、普段から油断をしているのでしょうか、いざ勉強という時に集中力を発揮できない生徒が多いようです。特にそういう生徒に多い特徴が、その普段の余った時間をテレビやゲーム・音楽や携帯、スマホなどにだらだらと費やしてしまうということです。時間に余裕があるのだから、その時間を使えばいくらでも成績を伸ばせるのに…、と思いますが現実はどうもその逆のようです。大事なのは部活はやるときはやる、そして多少疲れていてもその疲れを言い訳にせず勉強する時間をしっかり確保する、そしてテレビ、ゲーム、携帯などの誘惑に打ち勝つというのが大事なようです。皆さん、部活の疲れを言い訳にせず油断をすることなく「ウサギと亀」の「亀」作戦でコツコツと勉強して行きましょう!塾長 斉藤稔

アバンティ通信2013年11月号〜「間違い」から勉強が本当の勉強が始まる〜
 毎日生徒を指導していると「あれっ」と思う場面にしばしば出会います。よく見かけるのが間違いを無かったことにしてしまうタイプの生徒です。家でやってきた宿題のマル付けをして返すと、間違えた答えや計算式などをすぐに消しゴムでごしごしと消してしまうのです。当人としては間違いを無かったことにして、一からすっきりと問題をやり直したいのでしょうが、それではなかなか学力は上がりません。自分で書いた答えをしっかり点検して、なぜ間違えたのかをきちんと確認してから前に進まないともう一度同じ間違いをしてしまう可能性があるからです。間違いの原因は実に様々です。例えば算数や数学であれば、間違いの原因は「問題文を読み間違えた」「正しく公式を理解していなかった」「計算の途中でミスがあった」「答えの書き方が適切でなかった」などいろいろなレベルでの間違いがあります。またその間違いのタイプによって次回正解にたどりつくための対策は異なります。「落ち着いてしっかり問題を読む」「覚えた公式などが正しいか確認する」「書いた答えをもう一度見直してみる」などです。その意味では、「間違い」は「宝の山」です。そこから本当の勉強が始まるといっても過言ではありません。間違えた時こそチャンス、成長できるのだと考え、しっかり間違いの原因を確認し、ひとつひとつ自分の弱点を克服して行きましょう。塾長 斉藤稔

アバンティ通信2013年10月号〜〜計算力の重要性〜
 国語の漢字と英語の単語の重要性については以前に触れましたが、算数(数学)で重要なのがなんといっても計算力です。計算は小学校1年生の足し算や引き算にはじまり、九九や割り算、小数・分数、文字式、方程式、関数へと続いて行きます。今、算数(数学)ができない生徒はどこかにそのできない原因があるはずなので、そこまで戻ってやり直す必要があります。小学校で一番つまずきやすいのが小数・分数の計算です。しっかり繰り返し練習すれば誰でもできるようになるのですが、練習量が足りないためか、中学校2・3年生になっても小学校で習っているはずの小数・分数計算ができない生徒が多くいます。もったいないことです。そういう場合の対処法はやはりもう一度基礎に戻ってしっかりとやり直すしか手段はありません。計算力のある・なしは算数(数学)のテストの成績を大きく左右します。計算のスピードが遅いと、自分が何の問題を解いているのかわからなくなってしまったりします。スピードはもちろん正確さも重要です。正確にやらないと結局は何回もやらないと正解にたどり着けないばかりか、解いても出した答えに自信が持てません。また盲点なのが数字の書き方です。特に6と0、1と7の見間違い、書き間違いがもとで計算過程を誤るケースが多くあります。計算力は算数(数学)においてはすべての土台となるものです。早いうちからしっかりと時間をかけて練習しましょう。塾長 斉藤稔

アバンティ通信2013年9月号〜「知らない」のか「わからない」のか〜
 成績を上げるという目標に向かって多くの生徒は勉強していますが、勉強には二種類のタイプの科目があるということを意識して勉強している生徒は少ないようです。
 一つ目のタイプの科目は覚えさえすれば得点が取れるという科目です。全てではありませんが、社会や英語、国語の漢字や文法などがこのタイプに当てはまります。「イギリス」の首都を知らない、「ベースボール」の英単語が書けない、「千載一遇」の意味を知らないなど、これらの科目ができない原因はずばり「知らない」ことが多くあるからです。この種の科目の成績を上げるために大切なことはずばり「覚えること」です。自分なりに工夫して多くのことをきちんとひとつずつ暗記していけば必ず成績は上がります。
 それに対して二つ目のタイプの科目は、数学や理科などの科目です。これらの科目の成績が上がらない原因は「わからない」、つまり手順や内容をきちんと理解していないことにあるといえます。式の作り方がわからない、方程式の解き方がわからない、速さの公式の使い方がわからないなど、手順や内容をきちんと理解する必要があるといえます。覚えるだけの科目に対してこちらは少し時間がかかりますが、一度ものにしてしまえば強力な武器となりますので、根気よくじっくりと取り組んで勉強する必要があります。
 限られた時間しかありませんが、勉強する時間は誰にとっても平等です。したがって全ての科目に対しただただ成績が上がらないとばくぜんと嘆くのではなく、自分はどちらのタイプが特にできていないのかを把握することが成績向上のひとつの鍵となります。「知らない」ことがたくさんある生徒はそれをきちんと根気よく覚えましょう。「わからない」ことがたくさんある生徒はそれをきちんと正確に理解しましょう。その意識を持つだけでも勉強の成果は大きく変わってくると思います。
塾長 斉藤稔

アバンティ通信2013年8月号〜素直な心を持って学ぼう〜
 これまで多くの生徒の勉強を指導してきました。成績が伸びる生徒と、伸びない生徒の差はなんだろうと常々考えていますが、伸びる生徒に共通したひとつの特徴は、学ぶということに対して「素直な心」持っているということです。教える立場からすると、教える内容、説明の仕方はどの生徒に対しても大きな差異はありません。しかしそれを受け取る側の生徒によっては、その内容や説明の取り方は微妙に違うようです。一番問題なのは、とりわけ新しい単元に入った時や難しい問題に出くわした時に、「こうやってみなさい」と教えているにもかかわらず、「私はこうやりたい」「自分のやり方の方が楽だ」「先生のやり方は面倒くさい」と聴く耳を持たない生徒がいることです。中には飛びぬけた独創性があり、かえってこちらが感心するような生徒もいましたが、自己流の場合、ほとんどの生徒はやはり成績の伸びが芳しくないケースが多いように思います。学ぶという言葉は「まねぶ(まねる)」という言葉から来ているそうです。「自己流」で勉強をするのであれば先生は必要ありません。塾に来て勉強している以上、物事を学ぶ際には「素直な心」を持って、「まねて学ぶ」姿勢を持っていただければと思います。塾長 斉藤稔

アバンティ通信2013年6月号〜英単語と漢字の暗記が大事〜
 勉強を毎日一時間も二時間もやったのに成績が上がらない。「何をやったら成績が上がりますか?」 これは生徒から多く聞かれる質問のひとつです。残念ながらこれさえやれば成績が上がるという絶対的な特効薬はありません。でも我慢して続けさえすれば確実に実力のアップが見込めるものがあります。それは英単語と漢字をしっかり暗記することです。言うまでもなく英語は外国語なので覚えなくてはなりません。その元となっているのが英単語です。英文法は英語の基本ですが英文法を正確に知らなくても英単語さえ知っていればなんとなく文意がつかめてしまうということが良くあります。また漢字も千葉県立高校受験では国語の配点のおよそ2割が漢字の読み書きですし、そもそも漢字を知らないと国語の文を読んだり、国語以外の教科の勉強にも差支えが出てきます。
 ではどうやって勉強するか。短い時間でいいので毎日継続して勉強することがポイントです。英単語も漢字も少し簡単なところからでいいのでそれぞれ15分程度、あわせて2教科あわせて30分程度をめどに毎日取り組んでみましょう。大事なのは漫然と何回も書くのではなく、できればテスト形式のようにまず何が書けて何が書けないのかをはっきりさせるよう勉強することです。すでに書ける英単語や漢字を何回も何回もひたすら書く生徒がいますがあまり感心しません。すでに書けるのであれば一回書いても百回書いても同じと考え、「書けなかったものを覚える」ことに時間を使いましょう。今回は締め切ってしましましたが、漢字検定試験や英語検定を目標に取り組んでみるのもやる気をアップさせてくれるコツかもしれません。漢字と英単語は誰でも正しくやれば必ず得点アップにつながる大事な基礎です。頑張って取り組んでみてください。塾長 斉藤稔

アバンティ通信2013年5月号〜文を書くということ〜
 国語の力をつけるに有効な手段が、本を読むこと(読書)と文章を書くこと(作文)であるのは多くの人が認めることと思います。実際私も長いこと多くの生徒と接してきて感じることは、成績のよい子、伸びる子は総じて読書をたくさんする傾向にあるということです。多読を通じたくさんの知識を得ることはもちろん、読書を通じて情報をつかむ訓練を日ごろから積むことが、国語以外の教科を学習する際の大きな武器になっていると考えられます。読書と並んで国語の力をつけるのに有効なのが文を書くことです。文は日記、読書感想文など、どんなものでもとにかく「書く」という作業が、自分の考えをまとめる力、そして表現力を磨くことにつながるのでしょう。作文といえば小・中学校で良く出されるのが「OOの感想文」ですね。OOには運動会とか遠足とかが入りますが、何でも良いから自由に書きなさい、という指示が日本の学校では今でも多いと思います。よく言われることですが、この「何でも良いから自由に書きなさい」という日本式の「自由作文」はアメリカを始めとする欧米のやり方とは大きく異なっています。向こうでは「自由に」作文を書かせる前に、まず「型」や「枠」などをしっかり書くところから始めます。そしてしつこいくらいに型にこだわり、その中で自分らしさ・個性を出すことが求められます。欧米の、いわゆる自由な国では「型」にはめた文章を書かせる一方で、規則等何かと「枠」の多い日本で「自由」に書かせるのは面白いことだと思います。日本式のやり方(=自由)であまり上手に文章が書けない人は、読書と並行して部活の練習記録や日記など型の決まっている文を毎日コツコツ書き続けることが、国語の成績を上げる方法の一つと言えるのかもしれません。塾長 齊藤稔

アバンティ通信2013年4月号〜じゃあいつやるの?〜
 今年も入試が終わり多くの受験生が卒業していきました。そして「よく頑張ったな」とほめてあげたい気持ちでいっぱいになるのと同時に、毎年思うことは「もっとこの頑張りをもっと早い段階から出していれば…。」ということです。頑張った受験生を決して責めるわけではありませんが、入試が近づけばほとんどの受験生は一生懸命勉強します。それが当たり前なのですが、年間を通して生徒と接している私たちにとっては、「もっと早くから頑張っていればなぁ」というのが偽らざる本音です。生徒によく言うのは「みんなが頑張っているときに頑張るのは当たり前。みんなが頑張っていないときに頑張ることが他の人と差をつけるチャンスだ」ということです。とはいえ、みんなが休んでいるときに一人だけ勉強をするのは辛いもの。でも成績が本当に伸びる生徒はそういう時こそ頑張れる生徒なのです。今流行のCM。「じゃあいつやるの?今でしょ!」至極名言です。塾長 斉藤稔

アバンティ通信2013年3月号〜具体的な目標をつくって勉強しよう〜
 勉強に関しては、多くの人が今よりも成績を上げたいと思っているはずです。でも「成績を上げるための目標は?」と聞かれた時にさっと自分の具体的な目標を答えられる人はどれくらいいるでしょうか? もちろん多くの人が「次のXXテストでは頑張って成績を上げるぞ!」と思っているはずです。でもそういう「なんとなく」の目標ではなかなか成績は上がらないものです。以前にも勉強に関してはまず習慣作りをすることが大事と書きましたが、まずは勉強をする時間を作るところから始めましょう。たとえば今日の目標は「何時から何時までXXを勉強する」という勉強時間を決めて宣言(家の人に伝えたり)してしまうのです。自分の中で勉強は時間があったらやろう思っているだけではなかなか実行に移せません)。あれこれと言い訳を作って結局勉強する時間がなくなってしますからです。そして勉強時間を作った上で、「今日はXXを覚えよう」とか「今日はXXを完全に理解しよう」という具体的な目標を作るのです。その目標は具体的であればあるほど効果が上がります。しっかりと紙に今日の目標を書き出したり、誰かに宣言する方が効果があります。そして勉強した後に振り返ってみて今日の目標が達成できたかをしっかり確認しましょう。目標が達成できたら自分をほめ、できていなかったら反省し次につなげましょう。そうして毎日一つ一つ具体的な目標をクリアしていくことによって成績は少しずつ上がっていくはずです。新学年も近づいてきました。まずは毎日の勉強時間を決め、目標を立てるところからスタートしましょう!塾長 斉藤稔

アバンティ通信2013年2月号〜体調管理は万全に〜
 今年の入試も最後の山、千葉県立高校の入試が近づいてきました。ここまで受験生は一生懸命努力を続け、最後の難関を突破しようと頑張っています。それでも最後の最後まで油断をしてはいけないのが「体調管理」です。という私も先週見事に体調を崩し塾を開いてから初めて3日間もお休みをいただいてしまいました。体力には自信もあり、日ごろから生徒とも接しているので免疫は十分あるはずなのですが、今度ばかりは見事にダウンしてしまいました。入試を控えた生徒さんには、より一層注意をしてもらいたいと思います。風邪・インフルエンザの対策は、良く言われるよう@うがい手洗い、Aしっかりとした栄養・食事、Bそして十分な睡眠です。どれも基本的なことばかりですが、この当たり前のことを実際にするのはなかなか難しいものです。しっかり実行してください。私も今回改めてわかったことは風邪を引き体調の悪い時は、勉強もやりたくないのはもちろん、やっていても問題がいつものようには解けない!ということです。どんな簡単な問題でも頭がボーとしていると、問題を解くどころか問題自体の意味を理解できないことさえあります。というわけで入試の日はもちろんこれから入試の本番までは絶対に風邪をひかないようにしてください。もし本番直前ひいてしまったら?その時は「病は気から」と言う言葉もありますので「僕は(私は)大丈夫!」と言い聞かせて最善を尽くし頑張ってください。応援しています。塾長 斉藤稔

アバンティ通信2013年1月号〜みんながやらない時こそ、しっかり勉強する〜
 師走に入りだいぶあわただしくなってきました。来年早々に受験を控えている小6生や中3生はともかく、そのほかの学年の生徒は、二学期の期末テストも終わり、やれクリスマスだ、やれ正月だなどとほっとしている人も多いのではないでしょうか。でもだからこそ多くの人が何もしていない今が、実は人との差をつける大きなチャンスの時期なのです。以前に教えていたQ君はまじめな生徒でした。とはいえ中1のころは真ん中より少し下くらいの成績、どこにでもいそうな、ごく普通の生徒、決して最初から特別「できる」生徒ではありませんでした。しかしまじめなQ君、試験前はもちろん、試験が終わったあともコツコツとまじめに、人が勉強していない時期にも少しずつ勉強を積み重ねていきました。中3になって受けた入試の結果は…、中1時代には信じられないくらいのトップ校に合格、その後何年もまじめな彼の姿は変わりませんでした。よく試験の前でも「ぜんぜん勉強していない」という人がいて、それを真に受けて安心してしまう人がいます。でも「ぜんぜん勉強していないよ」などという人に限って実は勉強をしっかりしていて、周りの人を油断させていることがあるのはよくある話です。黙っていてでもみんなが勉強する試験の前だけでなく、みんながクリスマスだ、正月だと浮かれている今みたいな時期にしっかり勉強する人が、実は自分の実力を高める、そして人との差をつける絶好のチャンスなのです。「自分ひとりでは勉強なんて無理、無理」などと言う人はぜひ塾の冬期講習に参加し、そして講習以外にも塾にいる時間を長くしてしっかり勉強してしまいしょう。私たちも喜んで皆さんのお手伝いをいたします。冬期講習は12月24日(月)からです。お申し込みは・・・まだ間に合います。来年も一緒に頑張りましょう!塾長 斉藤稔